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天気

山の天気は変わりやすい、とよく言われますが、富士山ほど天気が変わりやすい山もないでしょう。そして登山は天気に左右されます。安易な判断は危険ですので、無理をせずに「ヤバい」と思ったら登山は中止してください。

< 気温 >

日中の富士山5合目の気温は17℃前後で、太陽が出ていると日差しが強いのでかなり暑く感じます。
明け方の富士山頂は2、3℃が平均気温で、大抵風が吹いていることもあり体感気温はさらに下がります。これは東京の冬の気温より低く、真夏の朝でも山頂では岩から垂れ下がるつららを見ることもあります。
1000m高度が上がると気温は6℃下がります。東京の明け方を25℃とした場合、富士山頂では3℃前後になります。
ご来光の後は、強烈な太陽の日差しを受けるので、山頂にいても温かく感じます。

< 気圧 >

私たちが生活している海抜0mでの1気圧は1013hpa(ヘクトパスカル)であり、晴天時の5合目の気圧が約780hpa、頂上で約660hpaと低く、悪天候時にはさらに気圧は下がります。

気圧と高山病の関係についても最近分かってきており、低気圧が近づいている(天候が悪化する)ときは、同じ標高でも気圧が下がるので高山病の症状が出やすくなります。

< 雨 >

富士山の天気はとても変わりやすく、晴れの予報が出ていても突然天候が崩れることもしばしばです。基本的にツアーは雨が降っても決行するので、雨に備えた対策を忘れてはいけません。
また富士山の雨は平地の雨と違い、雨と風がセットとなり下のほうから吹きあがってくることもあります。また海抜3000mを超えると乱気流の影響もあり四方から雨が吹き乱れます。

< 雷 >

登山中に雷が起こり、近くに山小屋がある場合は、山小屋に避難します。富士山の雷は平地と違い地面に這うように横に走る場合があるので非常に危険です。
近くに山小屋や避難できる場所がない場合は、体を低くして雷が去るのを待ちます。大雨と大粒のヒョウを伴うことがあり、緩くなった斜面から落石の危険も出てくるので危険です。
登山の開始前に雷が始まったとき、または遠くで雷の音がする場合は、雷が過ぎ去るまで待機します。
待機をする時間が長くなると、登山の予定に支障をきたすこともしばしばありますが、命を優先に考えます。

< 風 >

富士山では標高が上がるごとに風が強くなります。低気圧が近づくと富士山は大荒れになり、風速15m/sでは小石が降ってきます。また風速20m/sを超えると歩行が不可能になり、天気が快晴であっても登山が中止になる場合があります。
特に山頂付近の風は強く、お鉢巡りをする際は突風に気をつけなければいけません。山頂までは辿り着けても、お鉢巡りは断念することもしばしばです。
コンタクトレンズを使用している方はメガネかゴーグルを用意した方がいいでしょう。

< 紫外線 >

七合目(約2500m)にさしかかると森林限界に達し、高木の木陰もなくなり、日中では突き刺すような強烈な紫外線が降り注ぎます。
またご来光の後の日差しも同様で、早朝でも日差しは強烈で紫外線対策は欠かせません。
日焼け止めオイルやクリームでUV対策を施し、サングラスで目を保護しましょう。唇や耳の上部、首筋も日焼けしやすいので、対策を施しましょう。

< 酸素 >

初めて山に登る方や、普段運動されてない方には五合目でさえ酸素が薄く感じるでしょう。標高が高くなるにつれて徐々に息苦しくなりますが、頂上では平地の約3/4の酸素濃度しかありません。うまく呼吸ができないと体内に酸素が摂取できず、頭痛や内臓等に支障をきたし高山病という頭痛や吐き気の症状が表われます。
ただし高山病には個人差があり、全く富士登山が初めての方も高山病の症状を感じることなく登頂される方もいます。逆に経験者でありながら、富士山へ登ると高山病の症状が出てしまう方もよくいます。
登山前日にしっかり睡眠を取り、万全の態勢で登山に備えましょう。
登山当日はとにかくゆっくりと深い呼吸をしながら登ります。
どうしても高山病に不安を感じる方は携帯酸素を持っていくといいでしょう。